包丁ができるまで
堺の包丁製造では、伝統的に、鍛冶・研ぎ・柄付けの3つ工程がそれぞれ独立し、各工程を別の職人が行います。こうした分業制によって、職人たちが専門技術を研鑽し続けることが出来るので、優れた品質を保つことが出来るのです。
鍛冶
鍛接 | 地金となる軟鉄と刃金(鋼)を接着し、加熱して鍛練する。 |
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荒たたき | 鍛接したものを打延ばし、厚みを均一にして除冷する。 |
荒仕上 | コミ、マチを型抜きし、平を削り、刻印する。 |
焼入れ | 刃先となる部分を780~830度に熱し、水もしくは重油につけて一気に冷ます。 |
焼戻し | 刃こぼれしない為に150~190度の炉に戻して加熱した後、空冷する。 |
歪み直し | 焼入れ歪を直す。 |
研ぎ・柄付け
荒研ぎ | 最初は歪みを調整し、粗めの大きな回転砥で刃部分を荒く研ぐ。 |
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平研ぎ | 表面の平部分を平らに研いだ後、歪みをとる。 |
裏研ぎ | 裏面を研ぎ、均一にくぼみをつけていく。 |
本研ぎ | 刃部分を研ぎ、少しづつ狭くしていく。 |
羽布当て | 表裏の目(粗めの砥石で研いだ跡)を、研磨剤等を使い細かい目にして全体の艶を出す。 |
切刃 仕上げ |
鎬(しのぎ)を際立たせ、刃紋(刃境)を鮮明にする。 |
裏押し 小刃付 |
裏面を砥石(角砥石)で研ぎ、刃先を強くし、小刃を付ける。 |
柄付け | 使用する際のバランス等を考慮し、柄をすげる。 |
銘切り | 銘を刃に入れていく。 |
仕上げ | 汚れを拭き取り、錆止めのコーティングをする。 |
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